
かわいい人形たちの動きに大きな笑い声や歓声、時に歌声が響き、そして皆で涙を流すこともある・・・人形劇の会場は賑やかで華やかで、時に感動的です。
しかし、他のどんな仕事とも同じように「華やかさ」「感動」を裏で支える人たちがいます。
吉田太郎さんは、まさにそんな「支える」人でした。
人形劇をはじめ、舞台劇などのための人形・装置のプランニング・製作を手掛け、「工房から現場」までを合言葉に、舞台の感動を裏から支え続けました。
また吉田さんは「神戸人形」を愛し、その復興に取り組み、吉田さん独自の神戸人形を生み出した人でもありました。
2024年2月、急逝された吉田太郎さんを偲んで、
吉田さんの作品をご紹介する特集展示をいたします。

1969年11月5日生まれ。学生時代より人形劇に
親しむ。
1993年 人形劇団京芸に入団。
演技部、美術部員として活動。
1995年 京都に人形劇美術工房「工房太郎」を設立。
1997年 神戸・東灘に拠点を移し活動。
2015年 神戸人形の復興、制作を開始。
2024年2月21日 血球貪食症候群による多臓器不全に
より逝去。


工房内での製作風景は👇の動画でとっても分かりやすくご覧いただけます。

『神戸人形』とは、明治時代中ごろに神戸で誕生した「からくり人形」です。
ツマミを回すとお酒を呑んだりスイカを切ったりと、その滑稽な動きと表情で、多くの神戸っ子や外国人観光客に愛されました。戦争や震災で製造が途絶えていたのを、吉田太郎さんが『ウズモリ屋』として2015年に復活させ、その復興に尽力されました。
2022年サンテレビの「KOBE LIFE」にてその活動が紹介されています。
当日の展示では、本当に一部ではありますが吉田さんの作品を実際に展示いたします。
ぜひご来場いただき、吉田さんの取り組まれたお仕事を知っていただけたらと思います。